この記事を見に来てくださった方に行っておかないといけないことがあります。
それは桓騎が自分の意志で捕虜を処刑したわけではないかということをこの記事では伝えたいと思っています。
ここで大切なことは自分の意志の部分です。
つまり桓騎は命令されて処刑を行った可能性があると考えています。
それでは誰から命令されたのか?
史実から順を追って解説していきたいと思います。
目次
桓騎と扈輒の戦いの史実
キングダムの時代である戦国時代末期のことを記されたものは何冊かありますが、その中でも正史(正当なものと認められたもの)は史記という書物です。
この中でも桓騎にかかわるところはいくつかあります。
まずは始皇帝(秦王・嬴政)の事柄をまとめた”秦始皇本紀”の文章を抜粋してきました。
桓齮攻趙平陽,殺趙將扈輒,斬首十萬。
”史記”「秦始皇本紀」より抜粋
コチラは漢文なのでざっくりと訳すると
桓騎が趙の平陽を攻め、将軍・扈輒を殺し10万人を斬首した。ということです。
ここでははっきりと桓騎が10万人を処刑したと書かれていますね。
キングダムでもここの文章のとおりにストーリーが展開されていきました。
ここだけみると桓騎が処刑したのは処刑したのは疑いようがないように思えます。
史記の記述は紀伝体という形式で書かれていて、たとえばこの秦始皇本紀は嬴政の歴史を順を追って書かれたものです。
平陽の戦いは史記の他の場所にも書かれていて、それは”趙世家”と”廉頗蘭相如列伝”というところです。
この2つには桓騎が10万人を処刑したとは書かれていません。
廉頗蘭相如列伝には桓騎の名前は登場せず、趙世家には処刑も桓騎のこともかかれていません。
なぜ秦始皇本紀にしか書かれていないのか
『キングダム』(C)原 泰久/集英社
桓騎が10万人を処刑したというのは秦始皇本紀しか書かれていません。
なぜ史記の著者・司馬遷はそこにしか書かなかったのか。
それは秦が書いた歴史書にそう書かれてあったからではないかと思います。
秦が書いた歴史書は現代で存在しているものはありませんが、おそらく史記が書かれた時代にはまだ残っていたのではと思います。
その場合、始皇帝が10万にを処刑したとするにはあまりにもイメージが悪いです。
秦始皇本紀では始皇帝にマイナスイメージがつくものも書かれていますが、大量に直接虐殺のようなものをしたことは書かれていません。
もし、始皇帝が命令して桓騎に捕虜10万を処刑させたとしても、桓騎が独断にやったことのように書いても不自然ではないでしょう。
なぜそのように考えるというと、先ほどの原文のあとに少し不思議な文章があります。
王之河南
”史記”「秦始皇本紀」より抜粋
この文章は秦王・政が河南に行ったという文章です。
これが桓騎の処刑の後に書かれています。そして秦王が河南に行ったあと何をしたかは書かれていません。
この文章が少し引っ掛かります。
あたかも桓騎が命令違反をしてそれを王が追及するために行ったように書かれています。
キングダムでも桓騎の処刑のあと、秦王が桓騎を問いただしていますがそれは史実に書かれているものではありませんでした。
個人的な見解ですが、秦王・政が桓騎に命令して捕虜を処刑させその罪を桓騎にかぶせたのではないかと思います。
なぜ趙兵10万人は虐殺されたのか?
それではなぜ、秦王・政は捕虜を処刑したのでしょうか。
現代の価値観では捕虜の処刑は褒められたことではありません。
当時でも少なからずその認識はあったでしょう。
さらに敵が降伏しても殺されてしまうのならと、抵抗が強まることも考えられます。
秦王・政の私怨
『キングダム』(C)原 泰久/集英社
秦始皇本紀の文章に趙を滅ぼした後以下のことが書かれています。
秦王之邯鄲,諸嘗與王生趙時母家有仇怨,皆阬之。
”史記”「秦始皇本紀」より抜粋
訳すると、秦王・政は邯鄲にはいり母・太后の実家と揉めている者を生き埋めにして帰っていったとあります。
キングダムで書かれることはありませんが、史実の秦王・政はこういった残虐なこともあります。
元々、政は趙で生まれておりその際にあまり扱いが良くなく生死さえ危うい状況に置かれていました。
この趙に対する恨みが捕虜の処刑にいたったとも考えられます。
捕虜を扱えなかったから
いくら恨みがあったとはいえそれだけで10万人も処刑するとは考えていません。
むしろこれから書くことのほうが本当の理由で、私怨はそこまで大きな理由ではなかったでしょう。
始皇帝が捕虜10万を処刑した理由は、捕虜の扱いに困ったからです。
捕虜10万をただ維持するだけでも莫大な食料と水、そして監視の人間がいります。
敵地に攻め込んでいる秦軍にとって大きな問題です。
もと趙軍のため安易に趙を攻めさせる兵隊にすることもできず、秦に連れて帰ろうにも大変な労力です。
もし輸送中に脱走でもされたら、その捕虜は再び趙に戻り戦う羽目になります。
こうなってしまったら元も子もありません。
そのため政は捕虜を処刑するしか道がなかったのかもしれません。
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以上、キングダムに関する記事でした。
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