中華を天下統一した秦は非常に強力な国家を築いていました。
しかし、秦は領土は広くとも蜀や漢中など山が多く人口や農業は他国と比べてそこまで強かったわけではありませんでした。
それでも秦を戦国七雄の最強国たらしめたのは法による統治をおこなったからです。
法を整備して富国強兵を行った結果、ついに始皇帝・政の時代に天下統一が完了しました。
法家思想とは
『キングダム』(C)原 泰久/集英社
法家思想とは、法によって罪と罰を明確にし人民を君主の元従わせるという思想です。
それまでの殷・周王朝は王による徳と儀礼によって収めてきたといわれています。
この時代には法律という概念はほとんどなく道徳的価値観によって統治してきたとも言えます。
初めて中国で法律として公布されたのは春秋時代の鄭です。この鄭は弱小国ですが周王朝の分家で格式高い国です。
この弱小国・鄭をうまく導いた名宰相・子産という人物が中華史上初めて法を文字にし公布しました。
それまでの法はあったそうなのですが文字にされていなかったので、機能していなかったのではと考えられます。
統治者である君主にとってはあまり法を明確にしないほうがメリットあったのでしょう。あいまいさ故に解釈次第で刑罰を変えることが可能ですからね。
秦における法家が果たした役割
『キングダム』(C)原 泰久/集英社
秦が他国より抜きんでて強国になったのは間違いなく法が影響しています。
その中でも戸籍を整備したり分家を促進して開墾地を増やした商鞅の貢献は多いのですが、今回のテーマではないので省略します。
特に15歳以上の男子はすべて兵役が課せられたため秦軍は100万の兵がいたといわれています。
李斯・韓非子はともに儒家の荀子から学んでいます。
荀子は人を礼によって正しい方向に導くと考えていましたが、二人(特に韓非子)は法によって統制するべきと主張しています。
現代をみれば法治国家といわれるように法律に基づいて国家を運営しています。
荀子などの儒家の教えは少人数の集落などでは問題なく機能しますが、李斯・韓非子のほうが現代的で国家の運営に適しているといえますね。
韓非子が始皇帝に与えたもの
始皇帝は韓非子の書を見て感銘を受け「この著者に会えるのなら、死んでも悔いはない」とまで言っています。
韓非子は君主の立ち振る舞いなどについて事細かに書かれていて、妻や側室のことにまで書かれています。
この韓非子が始皇帝に与えた影響は歴史の中にはあまり出てきませんが、秦の規律を整えたという意味では大きな貢献だったと思います。
しかし、始皇帝には韓非子の教えは届いても、後継者である胡亥には届かなかったようで彼は享楽にふけり滅亡の原因を作っています。
李斯による法整備
『キングダム』(C)原 泰久/集英社
李斯が最も活躍したのは天下統一後のことでした。
それまでの周王朝は各地に王族や臣下に封地を与え統治させました。(封建制)
しかし、李斯は全国を郡と県にわけ中央から役人を派遣させ統治させます。(郡県制)
封建制は王族などに権力を分散させましたが、郡県制は皇帝一人に権力を集中させるため春秋時代のように独立政権になることを許しませんでした。
皇帝による直接統治によって権力の分散を防いでいます。
天下統一以前にも秦は県を配置させ統治しましたが、李斯はいくつかの県の集団を郡としています。
その他にも李斯は、貨幣と度量衡の統一を行い経済を発展させようとしています。
李斯による法整備の弊害
李斯による法整備で秦は皇帝に権力を集中させ統治を行ってきました。
しかし、いつの世も完璧な法というものは存在しません。すこしずつ弊害が出てきました。
それは刑罰が厳しすぎたのです。
とくに顕著に出たのが万里の長城などの労役です。
この労役は期日までに勤務地につかないと死刑になってしまうもので、陳勝・呉広の乱は長雨で期日までに到着しないために起こりました。
この乱が引き金となり項羽・劉邦らにより秦は滅亡に向かってしまいます。
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イトウ カイヂ