日本の文化が中国に大きく影響を受けていることは言うまでもありませんね。
そのため三国志の関羽の義の精神、孔明の忠の精神は多くの日本人に共感されています。
しかし、中国のすべての思想や考え方が日本人に理解されているわけではありません。
今回の劉備と劉安の話はその最たる例といえるでしょう。
目次
劉備の人肉食の話
劉備が人肉を食べたエピソードは三国志演義の第19回、劉備が陶謙から受け継いだ徐州を呂布に奪われ曹操のところに逃げるところです。
劉備は逃避行の最中に劉安という人物に宿を借ります。
当時から人徳者と知られていた劉備を劉安は快く迎え宿だけでなく食事も提供します。
劉安は肉料理を出し、劉備がこれは何の肉かと尋ねるとオオカミの肉と答えます。
もしかして劉備はこの時何日も食事を摂っていなかったのかもしれません。
劉安から出された料理をむさぼるように食べてしまいます。
久しぶりの食事に満足して劉備は眠ってしまいますが、翌朝衝撃の光景を目にしてしまいます。
劉備が見たのは厨房で腕が切り落とされた劉安の妻の姿でした。
そう、昨晩劉備がオオカミの肉として出されたのは劉安の妻の肉だったのです。
劉備の反応
さて、われわれ現代人の価値観からすると人肉を食べさせるなんてありえないこと。
「なんてものを食わせたんだと!!」
と怒ったり、気持ち悪さで吐き出してしまうかもしれません。
しかし、劉備の反応は我々からすると想像の斜め上でした。
劉備
劉備は涙を流して感謝したのです。
怒りや悲しみの涙ではなく、自分の妻を殺してまで食べ物を与えてくれた劉安に感謝したのです。
その後劉備は劉安を部下にしようと持ち掛けますが、劉安には老いた母がいたのでこの提案を拒否しています。
妻は殺しておいて母は見捨てられないなんて、サイコパス野郎にしか思えませんが当時の価値観では立派な人物だったようです。
その証拠に後日この話を劉備から聞かされた曹操は、劉安に感心して金百両を届けさせています。
劉安・劉備が特殊だったわけでなく、当時の価値観として立派な行いだったようです。
古代中国の人肉食
現代では人を食べる習慣はもちろん中国にありません。
しかし、三国志演義の著者・羅貫中が生きた時代の明また、三国志が分類される古代中国では人肉は現代ほど珍奇なものではありませんでした。
その理由は大きく二つあります。
飢餓のため
古代中国の農作は今と比べられないほど貧弱です。
農耕機械などはもちろんなく、品種改良がされていない品種は寒さや干ばつにとても弱くそのため飢饉が多く発生していました。
そのため食料がなくなりどうしようもなくなった際にたどり着いたのが、人肉を食べるという選択肢だったといえます。
また、敵に兵糧攻めをされた際に最終手段として、婦人の肉を食べることがあったとか。
孔明
本来守るべき立場の婦人を食べるなんて、なにかやるせないような感じもします。
薬膳として
前述の飢餓のためとか兵糧攻めされたから仕方なく…..
この理由で人を食べるのは何となく理解できないこともないです。
しかし、次の理由は全く理解はできません。
それは薬として人肉を食べることがあったこと
中国では宋の時代以降に広まったもので、両親が病気になった際に自分や妻の内またの肉を切り取って食べさせるのが親孝行とされていました。
孔明
三国志演義は宋の後の時代である元や明で完成したのでこの思想が色濃く出た結果、劉安の人肉接待の話が登場してきたと思われます。
劉安が自分の妻を食べさせることで、劉備の人気を上げるために書かれたとも考えられます。
現代人の感覚からすると人肉を食べるなんて言語道断で、全く理解でいない話です。
さらに劉備は劉安に感謝すらしています。
時代とともに価値観が大きく変わった例ですね。
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